ベルギー戦、ピッチの熱気とスタンドの物足りなさ
早いもので、ベルギー出発から8日、ベルギー戦から6日、帰国から4日が過ぎた。あっという間にベルギーでの思い出は過ぎ去り、忙しい日常に埋没していく。
忘れないように、最後ひとつだけまとめておこうと思う。
正直、ベルギー戦は期待していなかった。が、スタジアムに着いた途端、スイッチが入っていく。すっかり日没しキックオフ3時間前の18時だというのに、続々とベルギーサポが集結。いかつい男たちがビールを求めて、出店の前にたむろしている。
外周をぐるっとまわって隔離された感のある日本サポ側のゲートに入る。ざっと1,000人はいたであろうか、日本人の応援席。ただ、8割方欧州在住の日本人の様子。妙に品がいい。日本から来た僕は、逆に場違いな感覚を覚えた。どうみても生粋の熱いサポの集まりではない。空気でわかる。
試合が始まっても、ゴール裏なのに皆さん座ってみている。何か拍子抜けだ。ゲーフラを持った僕は、観戦の邪魔者扱いのようだ。ちょい掲げるとすぐに後ろから「見えないんですが」と声が飛ぶ。試合前なんですけど。仕方ないから、後ろを常にケアしながら後方が開いている席を探しつつ、席を小刻みに移動していく。ウルトラス・ニッポンの面々は、変わらず最初から飛ばしている。
試合進むにつれ、ピッチはヒートアップしていく。スタジアム全体もベルギーサポの歓声で異様な雰囲気に包まれる。日本人サポーター席は得点の瞬間こそワーッと盛り上がるが、おとなしすぎる。寒さのあまりみんな縮こまっているかのよう。1,000人もいるのだからもっと大騒ぎしていいのに。手拍子も胸元で女の子のように控えめにしていては迫力がない。手を上に挙げて叩けば見栄えがいい。
もったいなかった。1,000人の大応援団にしては、イケイケ、押せ押せの雰囲気には程遠かった。ゴール裏なのにバックかメインで見ているような感じ。僕もまわりが静かな中で、でかい声を出したがなかなか呼応してくれない。
難しい点ではある。別に誰が悪いわけではない。サッカー観戦慣れしてなさそうなサポーターが大部分の日本人席。応援は強制されるものではないし、試合をジックリ見たい方もいよう。ただ、やはり親善試合の中でも歴史的な一戦。ベルギーサポの、360度包囲網の大声量に負けじと、日本の応援もすごかったと感じたかった。熱い試合の割には、応援が物足りなさすぎた。一体感がなかったねぇ。日本からはるばる渡航して、唯一残念だったのはこの点。代表戦、それも親善試合だからこんなものなのか。今や、熱いのはクラブレベルなのか。サッカー強豪国が歩む道を日本もたどっている気がして嬉しい反面、代表戦の寂しさを感じてしまった。
いろいろあれど、なにはともあれ欧州アウェーでの、内容を伴った歴史的勝利は素直に嬉しいもの。日本代表がどん底から這い上がってきた。ますます来年のブラジルW杯が楽しみになってくる。まずは、来月の組み合わせ抽選だね。
中毒だから、もっと刺激がほしい。
【了】
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