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とろけそうに快適なリオ・ファベーラでの宿泊

ファベーラの風景

リオのファベーラ(貧民街)と聞くと「絶対に行ってはダメ」「危ない」と聞くけど、実際は真逆なんですがw 確かに、夜になるとマシンガンを携えた民兵が警備にあたってるものの、今のところ危ない目にも遭ってないし、目撃もしていない。

もともと、booking.com で見つけた宿。リオにしては45レアル(約2,000円)と安いし、名前の通りにリアルなファベーラを体験できるという触れ込みだったので迷わず予約。場所がわかりづらいところにあるせいか、なんと宿のスタッフが迎えに来てくれるという厚待遇。なぜか地球の歩き方では最寄り駅である「Parada de Lucas」駅の列車「Supervia」の情報が皆無。初日こそビビッていたが、通算で5泊目、今では快適そのもの。

生活排水を垂れ流しているドブ川が目の前だし、宿の中では食べ物を放置しておくと、大量のアリの餌食になるし、夜は蚊に刺されまくるし、決して衛生的な環境ではないが、それでも余りある快適さ。4人部屋のドミトリーに自分だけしか泊まっていなく独占状態なので気を遣わずに滞在している。

初日の夜と翌朝は、宿のママNeuzaが、面通しの意味もあろうか、近所を小一時間連れまわしてくれた。その間に、このファベーラでのローカルルールを教わる。「すれちがっても振り返ってはいけない」「写真は禁止」。

一帯が小さな集落というかコミュニティを形成しているようで、みんな顔見知り。これでは悪いことはできない。ただ、縄張りの外からふらっと来たよそ者には厳しいのだろう。排他的でクローズドな環境が、かえって安全な世界を生み出している。一旦、コミュニティに受け入れられれば、家族同様の温かみで街がもてなしてくれる。宿は、子供の教育機関のNGOも兼ねており、街では絶大な信頼を得ているようだ。時折、英語の堪能なボランティアスタッフも訪れる。

宿のママンの面通しのおかげで、当初はひとりで歩くなと言われてたけど、コミュニティ内の近場であれば、ひとりで買い物もできるようになった。道すがら、向こうからニコニコと挨拶をかわしてくる。軒先では大人たちが世間話をし、子供たちは元気に駆け回って遊んでいる。ゆったりとした柔らかい空気が流れ、映画「三丁目の夕日」のような昭和の古き良き時代の原風景がここにはある。

ファベーラで7月4日のブラジル-コロンビア戦を観戦できたのも良い経験。


同日のマラカナンでのフランスvsドイツ戦のニーチケに失敗した悔しさが、このほっこりしたPV観戦で存分に癒された。さて、決勝戦まで中3日。ここファベーラで英気を養って、またチケット確保に奔走しなきゃ。いやあ、ファベーラには抜け出せなくなる魅力がありますねw

※お断り
全てのファベーラがこのような環境ではないことだけは付け加えておきます。訪問の際は十分な配慮を。

【了】