代表の危機を中和させたミンスクのゆるい空気
実はすべて想定内だった。ベラルーシ渡航前は未知の土地に赴く不安をことさらに表現していたが、内心イメージは出来ていた。限りなくロシアに近い雰囲気、SIMフリーiPhoneを現地活用するためのSIMカード入手に難儀すること、予約したアパートにたどり着くのに苦労すること等々。
すべてひっくるめて楽しんでやろうという腹づもりだった。代表戦しかり。親善試合でガチではないし、おそらく面白くないだろう、と。試合そのもののつまらなさを補完するために、ベラルーシ・ミンスクの街歩きを思いっきり堪能しよう、と。
試合に関しては、現地から以下のようにつぶやいていた。
贅沢な空間だった。日本で開催すれば少なくとも3〜4万は最低でも入る代表戦が、わずか6千人規模のハコで観られるなんて。サッカー専用ではないものの、トラックの幅が狭くてスタンドは適度に傾斜もあり、観やすかった。選手の声、選手同士あたる音がビシバシ聞こえた。
— たかちゃん (@TAKACHAN007) October 16, 2013
あんな近くで現代表の試合をみたことがなかったので、新鮮だった。テレビでどう見えてたかわからないけど、選手たち一人ひとりは本当によく動いていたように現場では見えた。ただ、相手の寄せは速いし、球際激しいし、それにまともに付き合ってしまってるようだった。もっと軽くいなせる力はあるのに。
— たかちゃん (@TAKACHAN007) October 16, 2013
もうザックの基本戦術が、素人目にはワンパターンにみえて仕方ない。横パス繋ぎながら、相手守備のギャップを作り出して縦に入れていき、チャンスメイクするという。カウンターとかもっと有機的にできないのかね?柿谷を最も生かす場面じゃんかー。誰も走らねー、ライン押し上げねー。ガックリする。
— たかちゃん (@TAKACHAN007) October 16, 2013
あれだけピッチが近いと選手の声まで聞こえた。応援の声でかき消されることもなく。ただし聞こえてきたのは、川島のドヤ声と相手選手たちの声だけね。代表選手ともなると声をあまり出さなくてもお互い分かり合えるからいいの?
— たかちゃん (@TAKACHAN007) October 16, 2013
足元でかっこ良くボールさばいて淡々とゲームをこなしてるだけのようにしかみえなかった。見ている側に何も伝わってこないんだよね。
— たかちゃん (@TAKACHAN007) October 16, 2013
試合のつまらなさは、想定を超えていたかもしれない。そんなガッカリ感は、現地のたたずまいにどっぷり浸ることで癒すことができた。
柔らかい人当たりの良さ、いくら歩いても精神的に疲れない街の雰囲気。重厚な建物群の中に癒し効果でもあるのだろうか?森の中のマイナスイオンを浴びる「森林浴」ならぬ「街浴」。
スタジアムに集った地元サポーターは意外にもフレンドリー。ハーフタイム中、スタジアムの外でベラルーシサポーターを撮ろうと少しビクビクしながらカメラをまわしたが、みんな思い思いに笑顔で手を振ってくれたり。勇気を出してベラルーシサポーターの観客席にもレンズを向けても同じように好反応。
試合前にもっと地元サポーターと交流すれば良かった、と少々後悔の念が残る。
ことさら楽しいエピソードを現地で経験したわけでもなく、何か旅のイイ思い出が作れたわけでもなく、淡々と現地に滞在していたように思う。試合そのものの淡白な印象と現地のどんよりした風情が妙にシンクロしてくる。サッカー観戦とはいえ海外旅行をしているのだから、きらめく感動体験のひとつやふたつあっていいものなのに、とりたてて何もない。試合そのものもそうだ。ちっとも感動しなかった。チケット代250円程度の価値しかなかった。
もう二度と来ることはない、と反芻しながら歩き続けた街。10月15日、この日の試合内容はいずれ忘れてしまうだろうが、ベラルーシに赴いた経験は一生忘れない。現地で味わった空気は身体中の細胞に沁み込んだ。代表に対する危機感、停滞感が根を張ってきているが、そんな漠々たる懸念を街のマイナスイオンや地元サポーターの温かさを体感して一時的にでも忘れさせてくれたように思う。
なんだかんだ海外アウェー観戦はやめられない。また、どこか行こう!
【了】
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