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ベルギー戦、極上の完全アウェーを体感してきた!

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ハンパない極上空間だった。メリハリの効いたベルギーサポの応援。自然発生的なコールから徐々に広がっていき、バックスタンドもメインスタンドも巻き込み、全方位的にスタジアム全体に重低音が響き渡る。屋根も付いているからさらに反響してうねりをあげる。

1985年5月29日の「ヘイゼルの悲劇」を経験したボードゥアン国王スタジアム。4万人を超えるサポーターで8割方埋まったスタジアムが織りなす迫力は想像以上だった。圧巻だったのは、1点差に詰め寄られた後、チームを後押しするかのように応援のボルテージがヒートアップ。日本側の応援はひとたまりもない。1000人以上集結した日本人サポーターの声援すら、あっさり押し潰され、かき消される。不覚にもあまりに圧倒的な雰囲気に応援していて涙が出そうだった。


ベルギーサポは、熱かった。すでに日没していたものの、試合開始3時間前の18時にはすでにスタジアムグルメの前に続々と人だかりができていく。ごつくて屈強そうな男たちがビール片手にたむろしている。

かと思えば、美人女性サポの姿も。「赤い小悪魔」といったところか。可愛いらしいのに、やたらでかいホットドックを3人お揃いで買っていた。おばちゃん2人組のサポには、僕のマフラーを見て声をかけてきた。「この色はうちと同じね」聞けば、かつて鈴木隆行選手が所属していたゲンクのサポとのこと。

ベルギーサポ

歴史に残る親善試合を生で目撃してしまった。間違いなく何年も先まで語り継がれるに違いない。欧州アウェーでの勝利は日本サッカー史上、本当に少ない(「極端に少ない、欧州アウェー戦での勝利」)。昨年はフランス戦に勝利したが、今年に入って停滞感に覆われていただけになおさら喜びが増す。今年のグアテマラ戦はどうだったか?なんてもう忘れてしまったけど、このベルギー戦は久々に躍動した代表を見た。

何年も見ているファンにとっては、記憶に残る親善試合って必ずあるもの。94年のキリンカップ・フランス戦、95年のアンブロカップ・イングランド戦。どちらも負けはしたものの、前者は小倉のゴールが衝撃的だったし、後者は旧ウェンブリーで躍動する代表にワクワクした。最近では、2010年10月ザッケローニ初陣のアルゼンチン戦、2011年8月札幌での日韓戦なども。

「たかが親善試合」。されど「歴史的な親善試合」。魂を震わせてくれたパフォーマンスに、渡航の苦労が報われた。W杯予選や本大会での得点や勝利における爆発的な歓喜には及ばないものの、W杯優勝候補相手にリードして内容も優っている事実が目の前に広がる。凍てつく寒さの中、ピッチを凝視しつつも何度も観戦の集中が途切れそうになりながら、もしかしたら勝てるかもしれない、「目の前で起こっていることは果たして本当なのか?」夢心地の90分間だった。長いロスタイムの末、タイムアップのホイッスルが鳴り、とうとう夢が現実になった瞬間が訪れた。こういう試合に出会うためにせっせとスタジアムに足を運ぶ。これだからアウェー観戦はやめられない。


【了】



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